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『諦める』ということは、実は「明らかに究める」ということです。
物事を明らかにし、その本質を究めること。
勇気をもって真実を見極め、それを認めることが、本当の『諦める』ということなのです。
諦めきったところから、物事が明らかになり、それを究めきったところに真実がある。
そこに本当の意味での静かな強さが生まれます。
人間は自分が患っている病気や困難に打ち勝つぞ、と思っただけでは、その状況を
克服することはできません。むしろ、人間の命は有限であると、諦めることです。
『他力』 五木寛之・著
| 諦めるということは何もやらないということではありません |
あなたが社交不安障害になって10年以上が経ったとします。だけど、何にも変化がないとしたら
変化を起こす時期かもしれません。10年以上、何の変化もないことをやり続けていてはダメです。
その変化のひとつに『諦める』ということを取り入れてみてはいかがでしょうか?しかし、注意が必
要です。ここでいう『諦める』とは何もやらないということではありません。社交不安障害を治すとい
うことを諦めませんかということです。
「いやいや、今さらやめることなんてできないよ」ということは十分分かります。でも、10年以上、
何も変わらなかったんですよ?そして、「治す」という考えが必要以上にあなたにプレッシャーを
かけています。知らず知らずのうちに、自らの考えで改善とは逆の方向に歩いてしまっていたの
です。
思考は諦め、行動はさらにパワーアップ!!
「治す」という考えを諦めることで何が起きるか?それは、行動しやすくなるということです。これま
でのあなたの行動は治すための行動になっていたのです。何をやるにしても「これをやったら、社
交不安障害が善くなるかも・・・」という考えがつきまっとっていました。でも、本当にそれでいいの
でしょうか?違いますよね。
「人は自分の人生をより良くするために生きている」のです。「社交不安障害からオサラバするた
めに生きている」のではありません。だったら、社交不安障害を主役とした生き方は間違っていま
す。そして治すことを諦めましょう。「やりたいことをやる」という人としての行動の原点に戻りましょう。
あなたの行動を阻(はば)むものは、何につけても社交不安障害を治すことを絡ませて物事を判断
することです。
| 恐怖というのは脳が持っている自動的なブレーキなんです |
「恐怖はもちろん感じます。
でも、恐怖というのは脳がもっている自動的なブレーキなので取り除く必要はないんです」
訓練を重ねることによって、そのブレーキのかかりかたがわかってくると、恐怖感に
支配されずに余裕をもってコントロール出来る範囲がひろがる。
日本人パイロット 室屋義秀
この室屋さんの考えってすごく大切です。社交不安障害にも応用できます。ある人が発した言葉を
自らの悩みのヒントに関連付ける能力があるかないかで、その人の生き方は違っていきます。
だから、社交不安障害で悩んでいるからといって、社交不安障害の本ばかりを読んでいては、見え
るものも見えなくなるし、見てはいけないものも見てしまうようになります。
室屋さんも「恐怖を感じるということは取り除く必要はない」と言っています。やっぱり諦めているん
です。「諦めているからこそ行動ができている」そういうことだと思います。もし、室屋さんが恐怖を
「怖い怖い」「恐怖を取り除いてから行動しよう」なんて考えていたらいつまでたっても空を飛ぶこと
はできません。
社交不安障害の人も「治そう治そう」「治してから行動しよう」なんて考えていたら、自然と行動範囲
が狭くなります。そして「治そう」と必死になっているから、少しの失敗も受け入れることができず、
次の一歩の自信を失ってしまいます。つまり、失敗が次の失敗を呼んでしまうのです。
社交不安障害の人が改善の道に向かうには小さな失敗が必ず必要なのに、その小さな失敗を必要
以上に怖がってしまっているのです。「治す」過程には失敗はあってはならないことだと、思い込ん
でいるのです。
治すことをあきらめることが、社交不安障害の人の今いちばん必要とすることなのです。
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