|
|
2009年9月1日 読売新聞
■一人の患者に何種類もの抗精神病薬を使う多剤大量療法は、効果よりも副作用が大きい。
このため世界的には、1種類の薬で治療する単剤療法が標準とされる。
ところが、読売新聞が5月、全国の主な精神科に行ったアンケートでは、統合失調症の入院患者
における単剤療法の割合は30%台の施設が最多と依然低いままだ。
なぜ多量大量療法はなくならないのか。
アンケートの答えで多かったのは「治療効果が高まる」「急性期の患者の鎮静を図るため」などだ。
「鎮静効果を期待して睡眠薬代わりにもよく使う」と答えた精神病院の医長もいた。
単剤化率が低い病院は薬の量も多かった。また、医師の数が少ない施設は単剤化率が低く、治療
体制の不十分さを薬で補うような傾向も見られた。
だが、こうした薬の使い方は間違っており、危険でもある。薬の量が1000mgを超えると効果は頭打
ちになる一方、心電図の異常が5倍に高まることがわかっており、突然死を招く危険性も高まる。
東邦大薬学部教授の吉尾隆さんは「多量大量療法に効果があるいう病院は、患者の鎮静を治療と勘
違いしているのではないか」と指摘する。
■2年前、うつ病の治療を5年間受けていた東北地方の36歳の女性が、自宅近くで倒れた。
急性心不全とみられる突然死だった。女性は、SSRI、三環系抗うつ薬、鎮痛剤、睡眠薬などを毎日飲
んでいた。
うつ病の治療には、認知行動療法と呼ばれるカウンセリングが有効だが、この病院には専門家がおらず
希望しても受けられなかった。病状の悪化に、主治医は抗精神病薬などの薬の追加で対処した。
女性は薬の影響で、日頃から頭痛、吐き気、震え、意識障害などを訴えていた。主治医は「治療薬物が
突然死を招いた可能性はある」と説明する。
大量投薬との関係が疑われる死亡は全国でほかにもあるのではないかとみられるが、実際はわかって
いない。「薬に頼りすぎる精神科医すべてが、娘の死を深刻に受け止めて欲しい」。この女性の母親は
強く訴える (佐藤光展)
この記事を読んで、即「薬は死につながる」と考えるのはやめてください。
私は薬に対しては否定的な考えをもっていますが、『薬=死』とは考えてはいません。
この記事で注目しなくてはいけないのは、きちんとした説明もなく大量の薬を処方する医師が存在する
ということです。そういう医師が危ないのです。『危ない医師=死』と言えます。
しかし、なぜこんな間違いが起こるのかというと、抗精神病薬の処方についてきちんとした基準がない
のだからではないでしょうか。「わかっているようでわかっていない」という表現が正しいかもしれません。
それは試行錯誤の段階なのです。最近、SSRIの副作用を正式に発表したくらいですから。
そう考えると、言葉は悪くなりますが『ただ今実験中』なのです。
「自分の命を犠牲にしてでも、将来の精神医療のために役立ちたい」と考える人は別ですが、薬を服用
している多くの人は「(自分が)善くなりたい」と思っているはずです。
そう願う人に対し、まだ実験中の薬物を「これは不安障害に効果あります」と断定してしまっている医師も
どうかと思います。
私は、抗不安薬はお酒のようなものだと考えています。飲んだ時は、すべてを忘れることができるけれど
酔いが醒めれば何にも現実は変わっていないという感じです。だから、抗不安薬を飲んだ後の再発率が
高いのです。そのため人によっては、一生、薬に依存しなくては生きていけないようになってしまうのです。
残念ですが、薬には魔法のような力がないのが現状です。
|
|